夫婦にとっての思いやり

長年連れ添った夫婦は、何となく生涯添い遂げられるものだと、私はこれまで軽く考えていました。大きな問題が起きない限り、自然に続いていくものだと。
けれども、自分の特性に向き合い始めてから気づいたのです。たとえ仲の良い夫婦であっても、相手を思いやる気持ちを持ち続けなければ、本当の意味で「夫婦」としての関係を育てていくことは難しいのではないかと。夫婦といえども、もとは他人同士だったのです。すべての考え方や価値観が合致しているわけではないのです。同じところはいいのですが、違うところはどうすり合わせていくのか、そこを思いやりの気持ちで、お互いが歩み寄ることがきっと大事なのだと思います。

私には、言葉を深く受け止めすぎたり、気持ちを切り替えるのに時間がかかったりする特性があります。そのため夫を困らせてしまったことも多くありました。少し前までは、特性を理解できていなかったこともあり、意見が食い違うと言い争いばかりしていたのです。でも、今はその自分を知ったうえで、ただ受け身でいるのではなく「思いやりを実践する」という形で関わりたいと思うようになりました。

最近、夫が休日を優雅に過ごすためにと、私たち夫婦そろって大好きなコーヒーを豆から手で挽いて淹れてくれるようになりました。香ばしい香りが部屋いっぱいに広がるその時間が、何よりの癒しです。
先日、ヨドバシカメラでミルや豆などを揃えたとき、夫の嬉しそうな横顔を見て、私も胸が温かくなりました。

これからも、夫への思いやりを大切にしながら、自分の心にもやさしく寄り添っていきたい。こうして過ごす夫婦の時間を、これからの人生の宝物として積み重ねていけたらと思います。

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