過去を超えて、今を生きる
シリーズ「引っ越しに込めた思い」について
私は55歳で、自分の発達特性に気づきました。
それまでの人生では、人間関係や家族との関わりに悩み、何度も「生きづらさ」を感じてきました。
そんな私にとって「引っ越し」は、ただの住まいの移動ではなく、過去を整理し、未来を描き直すための大きな一歩でした。
安心できる暮らしを求めて、自分と家族にとって最善の選択を繰り返してきた、その道のりを記録していきたいと思います。
1. 過去の傷と向き合う
人間関係の中で受けた理不尽な経験は、長く私の心を縛ってきました。
言い返せない自分を責め、心に重く残る出来事もありました。
特に、家族であってもママ友であっても、相手が高圧的に感情をぶつけてきたとき、私は怖くてどう反応していいか分からず、黙り込んでしまうのです。すると相手はますます強い態度で、まるで私をばかにするような言葉を投げかけてくる――。その繰り返しが「舐められている」と感じさせ、深く傷つく原因となっていました。
さらに問題なのは、その後の私の思考です。相手の言葉をそのまま頭の中で繰り返しながら、
「あれはどういう意味だったのだろう?」
「こういうことを言いたかったのか?」
「それとも別のことを指していたのか?」
――と、答えの出ないことを何度も確認しようとしてしまうのです。確認のしようがないと分かっていながら、毎日毎日、何年も同じ問いを繰り返し、自分を苦しめてきました。
これは無意識の習慣でしたが、自分に向き合うことで初めて気づくことができたのです。
2. 発達特性に気づいたこと
55歳にして、自分の発達特性に気づきました。
「生きづらさ」には理由があったと理解できたことで、自分を責めるばかりの日々から一歩抜け出せた気がします。
気づいた瞬間からすぐに全てが楽になったわけではありません。けれど、「私はダメだから苦しいのではなく、特性の影響で苦しかったのだ」と理解できたことで、ようやく自分を肯定できるようになりました。
3. 苦しみから学んだこと
苦しかったからこそ、「環境を変えること」「支援を受けること」の大切さに気づきました。
ただ耐えるのではなく、自分で工夫して選び取ることが、未来につながるのだと学んでいます。
過去の経験を通じて、「弱さ」や「苦手さ」も受け入れながら、それを補う方法を探し続けることが、前に進む力になるのだと思います。
4. 今ここを大切に生きる
過去を完全に消すことはできません。
けれども、今日目の前にある「安心できる空間」「支えてくれる夫」「少しずつ成長していく子どもたち」に目を向けることで、私は今日を生きる力を得ています。
「今ここ」を丁寧に積み重ねていくことが、私にとっての幸せの形です。
5. あなたにとって「過去を超えて生きる」とは?
私にとっての「過去を超えて生きる」とは、特性や過去の経験も含めて自分の一部として受け入れ、「今」を楽しむことです。
あなたにとっての「過去を超えて生きる」とは、どんな瞬間でしょうか?