特別編① ご近所トラブルから学んだこと


特別編①:ご近所トラブルから学んだこと

かつて暮らしていた家は、ご近所づきあいが濃い小さなコミュニティにありました。
その中で、私はどうしても折り合いの合わない二人の人の態度に、長いあいだ心を消耗してきました。

1) 挨拶を無視し続ける人

子どものちょっとした出来事をきっかけに、私は長年にわたって挨拶を無視され続けました。朝、家を出るときに姿が見えないか確認してから外に出たり、スーパーで偶然出会ってしまった日は一日中気持ちが沈むほど。小さな出来事に見えても、積み重なる無視は心に大きな影を落とします。

ただ、引っ越しの際に最後の挨拶へ伺ったとき、その方が「これまで子どもがご迷惑をおかけしてすみません」と言ってきました。子どものせいではないのにそう口にしたのは、親子ぐるみで私を無視し続けたことを、心のどこかで意識していたのかもしれない、と受け取りました。

2) 噂話を好む人

もう一人は、噂や陰口を好む人でした。子どもの進路や家庭のことまで話題にされ、尾ひれのついた話が広がるのを知った時のショックは言葉にできません。表ではにこやかでも、裏で否定される体験は自尊心を深く傷つけます。

その方も、引っ越しの挨拶に伺った際に「どこに引っ越すんや?」と聞いてきました。私たち夫婦は数軒のご近所すべてに「引っ越し先は詳しくは伝えず、方面だけ」と決めていたので、あえてぼかして伝えました。すると、その方はさっと見切りをつけたように、すぐに家の中に入っていきました。


生きづらさの正体に気づく

今振り返ると、私は密な人間関係が前提の小さなコミュニティでは、生きづらさが強まる特性を持っていました。
相手の否定的な態度を深く長く受け止めてしまい、言い返すよりも耐えるほうを選んでしまう。
その結果、外に出るだけでも緊張する日々になっていたのです。

環境を変えたら、呼吸が楽になった

思い切って引っ越した今、都会のマンションでの暮らしは、とても快適です。

こちらのマンションでは、エレベーターで出会う人、駐輪場で出会う人、がほとんど気持ちのいい挨拶をしてくださり、このことは初めから期待していなかっただけに、日々驚かされているぐらいです。今引っ越して7カ月ほどたちますが、挨拶のことで嫌な気持ちになることは一度もありません。
人は多いけれど過干渉は少なく、ちょうどいい距離感で暮らせる。人目を過剰に気にせず、自分のペースを保てる今の環境に、心から安堵しています。

終わりに ― 苦しかった時間が教えてくれたこと

長年の苦しさは、私に「自分に合う環境を選ぶ大切さ」を教えてくれました。
もう無理をしてまで居続ける必要はない。
これからは、心が安らげる場所を大切に、丁寧に暮らしていきます。

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