今日は歯科に行ったことで、子どもたちの歯並びのことを思い出しました。
我が家の子どもたちは3人とも、決して歯並びが良い方ではありませんでした。
本当なら、3人全員に矯正をしてあげたかった。けれど費用のことを考えると難しく、結果として長男と長女にしかしてやれませんでした。次男に同じ機会を与えられなかったことは、今も心に引っかかっています。
歯並びの悩みから始まった長男の矯正
長男は中学に上がった頃、前歯が出っ張っていて「ものが噛めないのでは」と心配になり、矯正を始めました。数年にわたる治療の中で、埋もれて内側に向かって生えていた親知らずを抜くために口腔外科に入院することもありました。通院を嫌がって調整をさぼることもありましたが、なんとか乗り越え、今では本当にきれいな歯並びです。
容姿を気にする年頃、娘が選んだ矯正の道
娘は高校生の頃。容姿を気にする年頃で、友人たちの中にも矯正を始める子が増えてきて、自分から「やりたい」とおねだりしてきました。本人の強い希望があったからこそ、最後までしっかりと通院を続け、結婚式の時にはその努力が実を結び、笑顔がいっそう輝いて見えました。
次男にしてあげられなかったことへの心残り
それに比べると、次男には矯正をしてやれなかったことが、やはり心残りです。家計やその時々の状況を考えれば仕方のない選択だったとはいえ、「無理してでもやってあげればよかった」と思う気持ちが消えることはありません。本人も大人になった今、矯正を始めようかと考えているようです。大学を一留した時の学費や生活費を親に返してくれているのですが、「矯正をするから返金が減るかもしれない。でも必ず返すよ」と言ってくれました。その言葉を聞いた時、頼もしい反面、私の中には胸の痛みもありました。本来なら返してもらうべきではなく、親がしてやるべきことだったのではないか、と。
子育ての選択に「正解」はあるのか
夫は「きちんと返してもらって、返してもらった分全額を後で返してやればいい」と言います。確かにそうなのかもしれません。けれど、矯正を受けさせてあげられなかったことへの心残りは、親としての私にしか分からない苦しさでもあります。
兄妹の間で「差」が生まれてしまうことは、子育ての中で避けがたいことなのかもしれません。それが良かったのか悪かったのか、今でも答えを出せずにいます。
ただ一つ言えるのは、その時その時で「一番良い」と思う選択をしてきた、ということ。完璧な子育てなどなく、悩みや迷いも含めて私の歩みなのだと、今は受け止めています。
そして今では、子どもたちがそれぞれの場所で笑顔を見せてくれることが、何よりの安心です。矯正をした子も、できなかった子も、それぞれの人生を歩んでいる。その姿を見守りながら、親としてできる限りの応援を続けていきたいと思います。