🍃はじめに
結婚してからの年月の中で、たくさんの喜びと、同じくらいのすれ違いがありました。
けれど今振り返ると、その一つひとつが、夫婦の形を少しずつ整えてきた気がします。
このシリーズは、そんな日々の中で気づいた「夫婦との向き合い方」を、
静かに、ありのままに綴った記録です。
怒りも、戸惑いも、笑いも──
すべてが、長い時間をかけて編まれた“ふたりの物語”です。
静かに譲らない、という優しさ
誰かのために我慢してきた私が見つけた、やさしく自分を守るという選択。
夫がまた犬の話をした夜。
私は、静かにこう言いました。
「やっぱりお世話はできないわ。前に一度飼って、自分の特性と向き合ってみたけれど、もう無理なの。」
夫は一瞬黙ってから、「俺は犬も美味しいものも全部ほしい」と言いました。
怒るでもなく、ただ少し、寂しそうに。
これまで私は、夫の怒りを避けるために、何度も合わせてきました。
借金のときも、高級車を何台も買い替えたときも、単身赴任での交通費のことも。
意見すればすぐに怒る夫に、私はいつも我慢するしかありませんでした。
でも、ブログを通じて少しずつ整理していくうちに気づいたのです。
「私は私らしく生きたい」
「誰かのために無理をして、あとで愚痴を言う人生は、もう終わりにしたい」と。
その会話から数日たったある日、また夫が犬の話をしたので、
私はこう伝えました。
「世話できひんわ、ごめんね。あとから“あの時飼わなかったら”って思うのはもう嫌だから。」
すると夫が、「とうとう本音を言ったな」と笑いました。
犬を諦めたわけではないようですが、
私がもう世話はできないということは理解してくれたようでした。
何度聞かれても、もう私は夫の顔色を伺って合わせる返事はしない。
そう決めました。
自分を守ることは、わがままではなく責任だと思えるようになった今、
自分がご機嫌でいられることこそ、
結局は周りを明るくする一番の方法だと信じています。
夫は、私が静かに笑って過ごしているとき、
いちばん穏やかな表情になります。
だから私は、もう無理に譲らない。
その静けさの中に、ちゃんと優しさを込めながら。
🌸おわりに
夫婦には、正解も完成もないのだと思います。
少し離れて、また近づいて、
そのたびに新しい“ちょうどいい距離”を見つけていく。
これからも、静かに笑って過ごせる時間を大切に、
少しずつ、やさしく、ふたりの形を育てていきたいと思います。
👉 シリ-ズ前回の記事はこちら
→第5話:変わり始めた夫